2021/11/19 10:43


真面目にサステナな話をします。

今の時代、エシカルやサステナブルが流行っていますが、私の中では「ものづくり」をしている時点で本当のサステナブルではないと思っています。
究極のサステナブルを考えるならシェアやレンタルを促進した方がいいし、古着を着まわしたほうがいいのです。
それでは、今企業が行っているサステナブルは何をしているのか、といえば「できる限り環境にいいことをする」ということだと思います。
決して間違っていないのですが、冷静に見つめると、プロモーションで環境にいいように謳ってはいますが本当にそうなのだろうか?
と疑ってしまうことも多々あります。
なぜなら「大量生産は大量廃棄を産む」という事実を覆い隠している会社が多いからです。
物を多く持つことを美徳とする時代は終わりましたが、企業は今まで通り商品をを買ってもらわないと売上がたたず縮小してしまうために、購買意欲を促すように宣伝をします。
数多ある広告代理店が知恵を絞ってPRをしますから、結果購買意欲が上がってしまう訳なのですが、、、

私は品質の低いファストファッションが必要ではないと考えており、クローゼットの中には品質がよくて長く着てもらえる服が少量あればいいと考えています。
当たり前ですが値段の安い商品はそれなりです。こればかりはどんなに企業が努力をしても限界があります。
値段の安い服は生地が安いので消耗が激しく何年も着続けることができませんから、結局廃棄することとなります。

服の値段は1980年代と比べてどんどん下がってきています。
企業が商品を日本製から中国製に。更にアジアに生産国を移して価格競争の為に原価を下げる努力をしたからです。
その弊害として、日本の工場は閉じることになり日本の技術は海外に移ってしまいました。
服の値段は下がり、お客様は安い服を買うことで欲望を満たすことができるようにはなりましたが、安くなった背景は誰も知りません。
しかし、海外の人件費が上がればもっと人件費の安い国に移動すればいいというビジネスモデルもいつかは限界がきます。
現在進行形でこの流れはどんどん進んでいます。

もちろん、大量生産の反動でクラフト感を大切にする小さいブランドが増えてきました。
大手アパレルメーカーでも日本製で値段がそれなりの服で成功しているブランドもあります。
プロモーション含め、信念を持って仕事をしている。そして、その理念に共感するお客様が付いている。すごくいいなと思います。

先日デザイナーと「最近極端にダサい人が減った」という話で盛り上がりました。
例えば一昔前なら秋葉原にいるオタクたちはダサいネルシャツやTシャツにジーパンでスニーカーでした。
今では無地のカーディガンや白いカジュアルシャツ、チノパンのコーディネートで、色のモノトーンかベージュで優しい雰囲気な方が多く、ファッションに興味がなくとも売り場にいけばそれなりにダサくならないような服が売っている環境になったということです。
ここ10年くらいでファッションのボトムアップが起こったということです。
しかし、個性もなくなりました。

デコントラクティーの服は日本生地で日本縫製です。
また素材は長く着れる生地を選んでいます。
5年後着ていても、普段に着れるデザインを追求しています。
そして、その人の表現したい何かを代弁できるようにデザイン性を高めています。

ドメスティックモードブランドの興味深いところは、
インポートの入ブランドと比べて長く時間が経っても鮮度がそこまで落ちない、ということです。
私は十数年前のドメスティックブランドの服を今でも着ますが、色褪せない雰囲気があります。
単純に“今”を切り取っている訳ではないからです。

服は消耗品です。
だからいつかは新しい服を買う場面になります。
その時に選ばれる服は、気持ちを汲み取ってくれるデザインで、長く着れて捨てられない服だといいなと思います。

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ito

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